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年金QA 5.年金を増やしたい-繰り下げ支給について

年金の金額を増やしたいときの方法の一つに、繰り下げ支給を申し出るということがあります。もらい始める時期は遅くなりますが年金の額は増えます。
まず基本中の基本をお話しします。
60歳から65歳までにもらう年金(厚生年金)は繰り下げ支給の対象ではありません。対象となるのは65歳から支給される年金です。65歳前とあとでは年金の取扱いが変わると理解して下さい。65歳前の年金はもらわないで5年以上放っておくと時効により消えてしまいますから、十分注意して下さい。

繰り下げ支給は65歳になってからもらう年金を遅くもらうということです。

では繰り下げるとどのくらい年金が増えるのかというと、下の表のようになります。老齢基礎年金は昭和16年4月1以前生まれとそのあとでは割増率が違います。昭和17年4月2日以降生まれの人は、老齢厚生年金も繰り下げ支給を選択できます。

老齢基礎年金(国民年金)の繰下げ (昭和16年4月1日以前生まれの人)

もらい始める年齢66歳の誕生日以降67歳の誕生日以降68歳の誕生日以降67歳の誕生日以降70歳の誕生日以降
割増率12%26%43%64%88%

老齢基礎年金(国民年金)の繰下げ (昭和16年4月2日以降生まれの人)
老齢厚生年金の繰下げ (昭和17年4月2日以降生まれの人)

66歳67歳68歳69歳70歳
0ヵ月108.4%116.8%125.2%133.6%142.0%
1ヵ月109.1%117.5%125.9%134.3% 

上限は

142%

支給開始は申請の翌月から。

2ヵ月109.8%118.2%126.6%135.0%
3ヵ月110.5%118.9%127.3%135.7%
4ヵ月111.2%119.6%128.0%136.4%
5ヵ月111.9%120.3%120.7%137.1%
6ヵ月112.6%121.0%129.4%137.8%
7ヵ月113.3%121.7%130.1%138.5%
8ヵ月114.0%122.4%130.8%139.2%
9ヵ月114.7%123.41131.5%139.9%
10ヵ月115.4%123.8%132.2%140.6%
11ヵ月116.1%124.5%132.9%141.3%

この他に、昭和12年4月1日以前生まれの人は老齢厚生年金と老齢基礎年金をセットで繰り下げ支給できましたが、今日の時点で既に70歳以上ですね。

この繰り下げ支給にも注意事項がありますので、よく理解して下さい。
1) 繰り下げ支給は得か、損か?:
繰り下げしたら12年以上年金をもらえば、累計では多くもらえることになります。70歳から繰り下げ支給の年金をもらったら82歳で65歳からもらった人の累計の年金額を抜きます。

2) 繰り下げ支給をどうやって申請すればよいか?:
65歳になるときに、(65歳前から厚生年金をもらっている人にも)年金請求書(ハガキ)が送られてきますので、
① 老齢基礎年金だけを繰り下げるときは,老齢基礎年金に丸をつけます。
② 老齢厚生年金だけを繰り下げるときは,老齢厚生年金に丸をつけます。
③ ①か②の時はハガキを出します。
④ 老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方とも繰り下げを希望する時はハガキを出しません。

3) 65歳と6ヵ月で繰り下げ支給を申請できるか?:
繰り下げ支給の申し出は、66歳になった日以降でないとできません。1年待ってから申請して下さい。

4) 70歳を過ぎてしまっても、さかのぼってもらえるのか?:
繰り下げ支給は申請をした日の翌月から支給すると法律で決められているので、70歳を過ぎてから申請すると、142%の年金はもらえますが、70歳になった月から申請の月までの期間は払ってくれませんから、注意しましょう。69歳になっても年金を請求していない人には(繰下げ中の人)、年金機構から注意喚起のお知らせが届きます。

5) 繰下げをやめることはできるのか?:
70歳になる前なら,いつでも年金の申請をして、65歳までさかのぼってもらうこともできます。まとまったお金が必要になったときなどにはありがたいです。

6) 他の年金をもらうと繰下げは自動的に停止してしまう:
これが、大変重要なポイントです。
たとえば、老齢基礎年金の繰下げ中(70歳前)に夫が亡くなり、遺族厚生年金を受給しますと、その時点で老齢基礎年金の繰り下げ支給は自動的に停止されます。本人が申請しなくてもです。そして、請求が遅れると、割り増しの付いたそれまでの年金はもらえないという事態になります。あるいは、65歳までさかのぼって、割増のない年金をもらうということになります。
繰下げはいつでもやめることができますが、注意事項もたくさんありますから、この制度を良くご理解の上で選択して下さい。

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