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遺族年金のこと知ってますか? <6.遺族厚生年金の金額について>

遺族厚生年金って、いくらもらえるのか、調べてもどこにも金額が書いてありません。
これは、人によって金額がそれぞれ違うからです。遺族基礎年金は金額が決まっていましたね?(詳しくは、Q2をご覧下さい)
ところが遺族厚生年金は計算式が決まっているだけなのです。

厚生年金の金額というのは、老齢も障害も遺族も、亡くなられた方の生涯賃金の平均に基づいて計算されます。(正確には払った厚生年金の保険料の平均です) 計算式は以下のようになっています。

平均標準報酬月額× 係数 × 加入月数 × 物価スライド × 3/4

平均標準報酬月額については、「障害年金のこと知って下さい」のQ5でくわしく説明していますのでそちらをご覧下さい。

この数式の最後の3/4とは何か?と思いましたか?

実は遺族厚生年金は、亡くなられた方が65歳になったら(一部の方は60歳から)もらうはずだった、あるいは実際にもらっていた老齢厚生年金の4分の3を遺族に差し上げますという制度なのです。ここでは、純粋な老齢厚生年金の金額を言いますので、差額加算(経過的加算)や、加給年金、老齢基礎年金の金額は含みません。ですから、年金をもらっている方が亡くなられた場合は、年金の振込金額の3/4ではないことに注意して下さい。

具体例を挙げて説明しましょう。
亡くなられた方の老齢厚生年金のデータ

平均標準報酬月額 : 400,000円
加 入 月 数 : 40年(480ヵ月)
係  数 : 7.5/1000
物価スライド率 : 1.031×0.985
この方の老齢厚生年金の1年分の金額を計算してみましょう。(平成22年度の係数です)
400,000 X7.5/1000 X480 X1.031 X0.985=1,462,370
この金額は、毎年送られてくる、ねんきん定期便に老齢年金の見込額は上記のような計算の結果がが出ていますから、今の状態が60歳まで続くとした場合に、自分がいくら老齢厚生年金をもらえるかおおよその見当が付きますね。

遺族厚生年金はこの金額の3/4(つまり75%)ですから、1年分の金額は
1,096,778円となります。

なぜ、3/4なのか、についてはいろいろな意見がありますが、私が考えるには、厚生年金というのは一家を支える人がもらっている年金だから、その方が亡くなったら、生活費としては1人減るので、75%位でよいでしょうという事ではないかと思います。

そして、厚生年金には、条件付きですが、妻に加給がつきます。中高齢寡婦加算と言います。これをもらえる条件としては、夫が通算して20年以上厚生年金に加入していること、妻が40~65歳までの間だけというものです。
金額は固定で、年間585,100円です。(令和元年度実績)この加算は、妻が遺族基礎年金をもらっている間は支給されません。また、妻が65歳になると、この加給はなくなってしまいますが、代わりに、経過的寡婦加算というものが出ます。金額は妻の生年月日によって変わりますが、昭和31年4月2日以降生まれの妻には出ません。詳しくはこちらを見て下さい。

なぜ、生年月日によって金額が次第に下がっていくのか?と疑問に思われる方もいるかも知れません。中高齢寡婦加算は594,200円で固定だから余計にそう思いますよね。

これはおそらく、妻も65歳になれば老齢基礎年金が出ると考えられているからで、遺族厚生年金と併せての所得補償という考え方で行けば、老齢基礎年金が主体で、その補填としての意味で経過的寡婦加算が出るのです。名称も経過的となっていますから昭和31年4月2日以降生まれの人からは出ないことになっています。

昭和一桁世代の妻はその金額が非常に低いので(国民年金の加入期間が短いから)経過的寡婦加算の金額が高く、次第に年齢が下がってくれば、国民年金の加入期間が長く、老齢基礎年金の金額も満額に近い人も中には出てくることが予想されるので、このように逓減させているのではないでしょうか?

くどいですが、やはり、国民年金の保険料納付は大事です。ここでも国民年金の保険料を納めておけばもっともらえたのにといった事態を招きかねません。

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