本文へスキップ

年金のことなら、信頼と実績のある社会保険労務士におまかせ下さい。

TEL. 03 -6868-0400

〒102-0082 東京都千代田区一番町10-8 一番町ウェストビル5F

ブログ

年金QA カラ期間その4

 今回はその他のカラ期間についてご説明します。

 まず、学生時代のカラ期間です。これは、平成3年3月末までで終了していますので、昭和46年より前に生まれた方が、このカラ期間の対象となります。
平成3年3月末まで、20歳以上で学生の人は、国民年金に加入してもしなくてもよい期間でしたので、加入していなかった期間はカラ期間となります。

 私が実際に経験したことですが、ある方からのご相談で、亡くなった夫の年金保険料納付期間が、厚生年金と国民年金を合わせても290月しかないので、遺族厚生年金がもらえないと言われた件で、その夫が、大学を卒業していたことを知り、このカラ期間を使って、25年(平成29年8月1日以降も25年)の加入期間を満たしたら、遺族年金が出たことがあります。

 学生時代のカラ期間を利用する場合は、卒業した大学に、在学の期間の証明を出してもらい、年金の請求書に付けます。

 カラ期間は、年金がもらえるかどうかの分かれ目である、25年(300月)の保険料納付期間に入れてよいのですが、実際にもらえる年金の金額を計算するときには、カラ期間は含まれず、保険料を納付した月数だけで計算するという性質をもった期間のことです。

 カラ期間があるかどうかは、年金事務所の窓口では、年金機構のコンピュータに保管されている記録ではわからないので、自分から申し出て、窓口の人に計算をしてもらう必要があります。実は、カラ期間という期間は、年金の加入記録の中には存在していないで、保険料未納期間としてとらえられているのです。それなので、カラ期間を使って、年金の受給をしようというときには、在学期間証明などの書類が必要になるのです。

 実は私もこの学生時代のカラ期間があります。逆に言うと、大学を卒業して、60歳になるまで、1月も漏らさず年金保険料を払っても、国民年金の納付期間は40年に届きません。どうしても満額の年金がほしいときは、国民年金の任意加入(40年納付になるまでか65歳になるまでのどちらか早く到達するまで)する方法か、厚生年金に加入する方法のどちらかがあります。

 もう一つのカラ期間は、海外に住んでいた期間です。これは今でも制度として適用されます。
国民年金に加入している人が、海外に住むようになると、国民年金の保険料の納付が、強制ではなくなります。払いたければ、任意加入します。
任意加入しなければ、カラ期間として使えます。

 もう一つあります。厚生年金の脱退手当金をもらった方の、その手当金の対象となった期間のうち、昭和36年4月以降の期間です。これはかなり複雑で、これから年金を支給されるという方には、適用されないので、詳しい説明は省略します。

 ここまで、4回にわたって、カラ期間のことをご説明してきました。年金の制度の中でも一番わかりにくいところなので、何回聞いてもよくわからないという方が多いのではないでしょうか?私も、社労士の試験を受ける時には、このカラ期間(合算対象期間)は最後まで理解できず、まる覚えもできないまま試験に臨んだのを覚えています。運よくその年は出題されなかったので、事なきを得ましたが。。。

 今こうして、年金のことを調べて行くと、カラ期間というのは、どうにかして年金がもらえるようにしてくれる、お得な制度だということです。カラ期間を利用しなくても年金がもらえるようになっていれば、その方がずっとよいのですが、さまざまな事情で25年の保険料納付期間が満たせないときに、大きな力を発揮します。

 でも、保険料は未納しないようにしましょう。免除制度、猶予制度など、国の方でも色々と助け船を出していますから、国民年金保険料の納付が難しいときは、こうした制度を大いに活用しましょう。

コメントは受け付けていません。

電話相談はここをタップ