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別居していたDV被害者に遺族年金が出ました


夫のDVから逃れるために、一時的に別居していた時に夫が亡くなり、妻が請求していた遺族年金ですが、別居が原因で不支給となっていました。

このため、審査請求(1回目の不服申し立て)をしたのですが、認められず、社会保険審査会に再審査請求(2度目の不服申し立て)をしていました。

このほど社会保険審査会が、妻の言い分を認めて、遺族年金を出すべきだとの結論を出してくれました。その結果、夫の死亡した翌月にさかのぼって、妻に遺族年金が出ることになりました。私も審査請求と再審査請求の代理人としてお手伝いさせていただいていましたが、とにかく遺族年金が出ることになって本当によかったです。

どうして遺族年金が出ることになったのかについては、個人情報を明らかにしなければならないので書けませんが、いろいろとやむを得ない状況がそろっていたことを主張したこと良い結果につながったと思います。

逆に言うと、今後も、DVによる別居でも、別居期間や音信の有無、経済的支援などの項目について、個別にケースバイケースで判断されることに変わりはなさそうです。つまり、遺族年金が出るためには、同居、音信や経済的支援(普通は、同居ならこれらの2つは証明する必要はないですが)は、原則として必要な条件なのですが、DVによって別居を余儀なくされたときは、これらの条件を満たせないことがよくあるので、「これはやむを得ないでしょうね」という状況でないと、遺族年金を支給してもらえないということになってしまいます。私の経験でも過去には、そのように判断されてしまったこともありました。

それなので、できれば、DV被害に遭っていても夫が生きているときにできることがあるかと思いますので、(遺族年金をもらうために、夫の生前にいろいろと準備しておくというのも本末転倒な話ですが)、DV被害に遭われていて、将来のことについて不安やご不明な点があるときはお気軽にお問い合わせください。

*令和2年1月追記:令和元年12月19日に東京地裁で、DV被害にあっていて13年間も別居を余儀なくされた妻に遺族厚生年金の受給権を認める判決が出ました。組もDV別居の被害者について生計維持要件を認める方向で動いているようです。

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