遺族基礎年金、H26年4月から夫にも出るようになりました(改正年金法成立-1)
平成26年4月以降の妻の死王から、夫(生計維持関係のある18歳未満の子がいることが条件)にも、遺族基礎年金が支給されるようになりました。
平成26年3月以前の妻の死亡に対しては、相変わらず夫には遺族基礎年金が出ないのです。
具体的なケースとしては、夫婦共に国民年金に加入していて、18歳未満の子がいる(正確には18歳の誕生日直後の3月31日を過ぎていないか、20歳未満の障害者)家庭で、妻が亡くなったケースが当てはまるかと思います。
これ以外のケースでは、どのようになるのでしょうか?
例えば、夫が会社勤めで厚生年金に加入していて、妻は、夫の扶養で国民年金の第3号被保険者という設定で、妻が亡くなったときにも夫が受給要件を満たしていれば、遺族基礎年金が出ます。ただし、遺族厚生年金は夫がもらうには年齢制限があるので、妻が亡くなったときに夫が55歳以上で実際に支給されるときは60歳になってからという決まりは変わっていません。
ここで一番大きな問題となってくるのが、妻の死亡した前年の夫の年収が850万円を超えていた場合です。妻が亡くなり、子供がまだ小さい家庭の場合には、妻が亡くなった後、夫は以前と同じように働いて同額の年収を得ることはほぼ不可能です。近所に祖父母がいても、毎日子供の面倒を見てもらうことは、簡単ではないと思います。そうすると当選、短時間勤務制度の適用や残業の対象外とするなど年収が下がる要素がたくさん出てきます。
こうした場合でも前年の収入が基準以上だと遺族基礎年金の支給を認めてもらえないことが往々にしてあります。
何故認められないかというと、年収要件は、妻が亡くなった当時にすでにその年以降年収が850万円未満になることが確実であったということを証明しなければならないからです。これはなかなか難しいことで、例えば残業時間が減ることによって収入が下がると説明しても、残業というのは流動的だから、将来確実に年収が下がることの証明になりえないと言われてしまうことがあります。
かといって、妻の死亡時前から、育児短時間勤務制度の適用を受けていたというケースはあまり考えにくく、年収要件をクリアするハードルが高いと感じています。
もちろんこうした場合でも、遺族基礎年金を請求するときには、できるだけの資料や情報を集めて、年収が下がることは確実だったという申し立てをすることは必要です。
昨年、私は1件ですが、再審査請求で年収要件をクリアでき、不支給が覆ったたケースがありました。もし似たようなケースで、あきらめようと思っている方がいらしたら、請求だけは進めてみてください。
2012年10月17日 4:59 PM | カテゴリー:遺族年金の基礎知識