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遺族年金がもらえないケース

遺族基礎年金、遺族厚生年金のもらえる人のことはこのコラムの2回目で、説明しましたが、この範囲に入っている方でも、遺族年金がもらえない場合があります。

どのような場合か、例をあげてみましょう。
今回は、『生計同一ではない。』を取り上げましょう。
生計同一とは、夫婦や親子が、同じ屋根の下で、生活しているという状態のことをいいます。つまり住所が同じということです。これを証明するために、通常は住民票で確認します。
ところが、色々な事情で、住民票上の住所が別々ということがあります。これは、別居していたとみなされるので、生計同一でないと判定されます。そうすると遺族年金をもらえる遺族とは認定されず、受給権が無いということになって、遺族年金がもらえません。年金の支給申請1件1件、本人から事情を聞いて、調べてということが現実面で出来ないですから、年金の支給の判定はすべて書類だけで審査するということになっています。そうすると、書類上別居が明らかであると、年金はもらえないと判定されてしまいます。

では、どうするかというと、まず実態はどうだったのかを調べます。
つまり住所は別々でも、実際には一緒に暮らしていたのであれば、それを第三者に証明してもらうことによって、生計同一であったと認めてもらいます。これは専用の、「生計同一関係に関する申立書」という書類に、住民票上の住所が別々な理由やその他必要事項を書いて、第三者(三親等までの親族以外の人)の証明(署名または記名押印)をもらって、遺族年金の支給申請書と一緒に出します。

同居していたことの証明として、亡くなられた方と遺族年金を請求する方に宛てられた手紙や、年賀状などのコピーを追加で提出することもあります。夫婦の名前が連記してある年賀状などは、同居を証明するものとして効果があります。

このように、実態として、同居していたことが証明できれば、生計同一要件は満たしていることになります。年金がもらえるかどうかの判断は、最終的には、実態がどうなのかで判断されます。

次に、本当に別居していた場合はどうすればよいでしょうか?
夫が単身赴任していたので住所が別々、高齢で要介護状態の夫が介護施設に入っていて、住所をそこに移していた、ドメスティックバイオレンスにより、別居を余儀なくされていたなど、さまざまなケースが考えられます。実際に私が御相談を受けたケースでもこうしたことはよくありました。

この場合は、書類上も実態も別居していたので、生計同一要件を満たすには、別の要素が必要になります。
それが、亡くなられた方による遺族への経済的援助があったことと、定期的な音信と訪問があったことです。音信というのは、電話やメールによる連絡のことです。
単身赴任のケースを考えてみましょう。
夫の給料は毎月銀行に振り込まれ、家族は、そこから生活費を引き出し、生活をしていた。また、一月に2回程度は、週末に自宅に戻ってきていた。普段は電話やメールで連絡を取り合っていた。ということなら、生計同一要件は満たしていると言えるでしょう。

私が実際にお手伝いした、お酒を飲むと家族に暴力をふるう夫のDVによって、別居していたケースでは、夫の退職金が振り込まれた銀行口座のATMカード、印鑑を奥さんが預かっていて、生活費はそこから引き出していた。夫は再就職先の健康保険に入っていたので、自分と子供はその健康保険の扶養家族であった、ということが証明できたので、生計同一要件を満たしていると認められて遺族年金が出ました。

この時も生計同一に関する申立書に、第三者の証明をもらって出しましたが、証拠書類として、生活費を毎月引き出していたことの証明として。退職金が振り込まれたことが分かる当時の通帳と、過去1年分程度の期間の通帳のコピー、扶養家族であったことの証明として、健康保険証のコピーもつけました。
いちばん難しかったのは、当初、奥様が、が亡くなった夫の悪口を言いたくないとのことで、DVのことは書きたくないとおっしゃっていたので、これを説得することでした。書類がそろった後は、割とすんなり通ったと思います。

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