遺族年金のこと知ってますか? <1.遺族年金について>
遺族年金と聞いて、「ああ、国の年金制度からもらえる年金のことね」とすぐわかったあなたは、年金のこと、だいぶお詳しいですね。言葉は知っていても、どこからもらえるのかご存じの方は意外と少ないのです。もしご存じなかった方も、安心して下さい。このコラムで詳しくご説明します。
国の年金制度というのは、国民年金と厚生年金保険です。この2つの制度に遺族年金があります。また、障害年金の所でも触れていますが、労災保険にも遺族年金があります。
労災保険から支給されるのは遺族補償年金と遺族年金の2つです。遺族補償年金は、仕事中や仕事が原因で亡くなってしまった場合(業務災害といいます)に、障害年金は通勤途中に亡くなってしまった場合に、遺族に払われます。もちろん、会社に勤めていれば、正社員である必要はなくパートタイマーの方も、アルバイトの方も対象です。年金から出る遺族年金と両方もらうことができます。(労災からの遺族年金の金額が調整されます)
このコラムでは国民年金や厚生年金からの遺族年金の方を中心にお話しします。共済組合の遺族共済年金は遺族厚生年金とほぼ同じ内容です。
それぞれの制度からもらえる年金やその他の給付をまとめてみました。
<制度別遺族年金と給付、もらえる遺族の範囲>
年金制度
年金の種類
もらえる遺族の範囲
国民年金
遺族基礎年金+子の加算
子のいる妻又は夫、子(子が18歳到達直後の3月末まで)
死亡一時金
死亡した人と生計同一の家族
寡婦年金
妻(60~65歳の5年間だけ)
厚生年金
遺族厚生年金
配偶者・子、父母、孫、祖父母
中高齢寡婦加算
妻(妻が40~65歳までの間だけ)
経過的寡婦加算
妻が65歳以降から終身で
ご覧になっておわかりの通り、遺族年金と一口に言ってもたくさんの給付があって、誰がどの給付をもらえるのかまで法律で決まっています。たとえ夫が遺言書に自分の遺族年金をもらってもらいたい人を指定していたとしても、全く効果がありません。また、もらえる年齢まで決まっています。例えば、遺族基礎年金は、子のある妻がもらっていても、子が18歳の誕生日を過ぎて最初の3月31日が来ると、そこで終わってしまいます。
2010年7月25日 12:19 PM | カテゴリー:遺族年金の基礎知識