国民年金保険料免除制度その2
<年子> 今日は、子供の年金保険料の免除制度のことを、聞きに来ました。
<年金> いらっしゃいませ。そうでしたね、前回はご夫婦の国民年金保険料の免除申請のことで、終わっていましたね。
<年子> そうなんです、先日、上の子が20歳になったら、年金手帳が送られてきて、保険料払ってください、と言われました。年金は20歳になったら入るものなんですね。それはそれで結構なことなんですが、子供本人は、「どうせオレたちが60になったときには、もう年金なんてもらえないんだから、払うだけ損だよ」おいって、手帳を放り出してしまって、全く払う気が無いんですね。私の周りでも、年金をもらえるような年齢に近くなると、あわてていろいろと問い合わせしている人を見ますけど、若いうちは、まだそんなことが分からないんですね。
<年金> そうですよね、若い方は時々無茶をしますから、年金も保険なので万が一の時の事を考えると保険料は払っておいてよかったということになるのですが、国民年金の保険料は、世帯主に納付義務のある事をご存知ですか?
<年子> えっ? 本人が払うのではないのですか?世帯主ということは、親?、が払わなくちゃいけないということですか?
<年金> 原則的にはそうです。でも、学生さんであれば、納付特例制度という、保険料免除に似た形の制度がありますので、こちらを利用する方法もあります。
<年子> それ、それ!今日はその話を聞きに来たんです。上の子は大学に通っていて、バイトもしていますが、あれはあれでなかなか大変で、教科書代や部活費に消えているようです。
<年金> では、具体的にご説明しましょう。
まず、学生であることが条件ですが、これは、大学生、大学院生、短大生、高等専門学校生、専修学校生などが対象です。夜間、定時制課程や通信課程の方も含まれます。
また年収がある場合は上限金額以下であることも必要です。
年収の上限は、所得金額で118万円+扶養家族(がいれば)×38万円です。
<年子> それは、世帯全員の所得金額ですか?この前の説明のときの金額と違いますけど。。。
<年金> いいえ、世帯主と同居していても、学生納付特例の場合は、本人だけの所得で判断しますから、世帯合算しなくてもよいです。
<年子> それなら、きっと大丈夫でしょう。毎月5万円くらいしかバイトしていないはずだから。ところで、こちらも一度、免除申請すればあとは自動的に毎年更新してくれるのですか?
<年金> いえ、こちらの納付特例は、毎年、申請する必要があります。大学によっては、納付特例申請を受け付ける窓口もあるようですので、確認してみてください。
<年子> 子供のよく言っておきます。でも、面倒くさいなどと言いそうなので、納付特例のお得なことを教えておきたいのですが、どんなところですか?
<年金> まず、保険料の納付はありません。ゼロです。 申請免除のように半分とか4分の1と言った段階的に払うようにはなっていません。この期間の保険料は、10年以内ならいつでも、一部だけでも追納できます。追納しなくても構いませんが、その場合は、もらえる年金の額は少なくなってしまいます。
<年子> ああ、例の3分の1はもらえるってことでしょう?
<年金> いいえ、学生納付特例の場合は、3分の1もらえるという特典がありません。納付特例期間については、年金額はゼロで計算されます。ただし、年金をもらえるかどうかの保険料納付期間10年(120か月)には含めることができますので、この点は、申請免除と同じです。
でも、何といっても、一番のメリットは、納付特例という、保険料を払っていない期間中に起きた事故や病気で障害を受けたり死亡したときに、国民年金から障害年金や遺族年金がきちんと出るということです。これは、申請免除でも同じです。
<年子> それは、今回、申請免除をしたときに、役所の窓口で説明してくれました。これが一番大事ですよね!保険料を払わないことについては、未納と変わらないのに、補償が付いているなんて、普通じゃ考えられないですものね。今日、子供が帰ってきたらよく言って聞かせます。年金手帳をどこかに放ってあったけど、すぐに見つかるかしら。もう、私の方で管理しておかないとだめね。それじゃ、先生、どうもありがとうございました。またわからないことがあったら教えて下さい。
<年金> おいでいただきありがとうございました。 またいつでもお越しください。お待ちしています。
2011年6月3日 3:48 PM | カテゴリー:年金の基礎知識