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保険料未納、免除、カラ期間、一番損なのは?

  国民年金の保険料の払い方の違いでもらえる年金に差が出ます。未納とは払わないことなので、払い方というのはおかしいかもしれませんが、今回は未納も払い方に含めて考えます。
また、第3号被保険者という国民年金保険料を払わなくても全額払ったことになるという区分がありますが、厚生年金に加入している第2号被保険者の被扶養配偶者であることという条件がありますので今回は除外します。

65歳以降にもらえる老齢基礎年金の金額は保険料をどのように払ったかによって、違ってきます。障害基礎年金や遺族基礎年金については、その年金がもらえるかどうかの大前提となる重要なポイントです。

まず老齢基礎年金(国民年金)の金額は払った保険料の回数で決まるという原則を知っておいてください。

保険料払ってこその年金ですから、まずは払う保険料について知っておきましょう。

国民年金の保険料は、日本国内に住んでいる人なら誰でも、20歳から60歳までの期間、最大で40年間(480回)払う義務があります。この480回の中には厚生年金や共済組合に加入していた期間も含まれます。たとえば、18歳で高校卒業して就職し60歳になるまでずっと会社員で厚生年金に入っていたという人は一度も国民年金の保険料を払ったことがないのですが、厚生年金の保険料の中に国民年金保険料が含まれていますので、わざわざ国民年金保険料を別に払う必要はありません。


このように国民年金の保険料の納付は480回が上限で、1回も休まず480回納付すると、65歳になってからもらえる老齢基礎年金は年額で779,300円(平成30年度)です。これを満額の年金との言い方もします。

つまり払った保険料1回分は、779,300÷480≒1,623円の年金(年額です)になるということです。もっとも10年(120回)以上保険を納付しないと年金をもらえる権利が発生しませんから、1回払っただけでは、年金はもらえません。


では、480回納付ができなかった人はいくらの年金がもらえるのでしょうか?


まず、未納の場合です。未納は保険料を払っていなかったのですから、その期間は年金はゼロです。一番損なケースです。


たとえば、360回しか払っていない人の老齢基礎年金の年額は:

779,300÷480×360=584,475円となります。満額に比べて194,760円少ないです。つまり毎年約20万円も低い金の年金しか受け取れないことになってしまいます。65歳から20年間この年金をもらったと仮定すれば、合計で400万円もの違いが出てしまいます。老齢基礎年金も老齢厚生年金も終身でもらえますから、長生きするほど差が大きくなります。

このように、未納に対しては何の救済措置もありません。保険料払ってこその年金ですね。


でも、国民年金の保険料が払えなかったときというのは、生活が厳しく保険料にまでお金が回らなかったという事情があったかもしれません。そのときに、保険料免除制度を使っていたら、免除の期間は年金が半分程度もらえたのです。全額免除の場合には保険料を払わないことについては未納と同じですが、免除期間については年金が少しもらえるからお得な制度です。

ですから、今、保険料を払えない状態にあるならすぐに免除申請を行ってください。また過去2年間の未納期間についてもさかのぼって免除申請ができますので忘れずに申請してください。


免除期間についても年金がもらえるのは、どういうことかというと、老齢基礎年金の金額の中には、払った保険料から出る部分と、税金から出る部分があるからです。割合は半分ずつです。この税金から出る半分の年金については全額免除していた期間についても年金としてもらえるのです。上の例で計算してみましょう。


先ほどのケースでは納付期間が360ヵ月でしたから、未納は120ヵ月でした。もしこの120ヵ月が全額免除期間だったら年金額はどのようになるでしょうか?


全額免除期間の年金額779,300÷480×120×0.5=97,412円

保険料納付期間の年金額の584,475円に97,412円を足すので、もらえる金額は681,887円です。


上の未納のケースと同様に、払った保険料は360回分ですが、もらえる年金は約10万円も多いのです。


免除には4種類あって、全額、半額、1/4、3/4とあります。たとえば、3/4免除は保険料の3/4を免除して1/4は納付するという方法です。もらえる年金は全額免除よりも増えます。保険料納付が厳しいという方は、免除申請を活用してください。


カラ期間とはいったいなんでしょうか?法律の用語では合算対象期間といいます。

これは、保険料は払っていなかったので、年金を計算する回数には含まれないが、年金をもらうための最低限度の期間(10年又は120回)には含めてよいという期間です。カラとは空っぽという意味です。


また、カラ期間はどのような場合が当てはまるのかについては法律で決まっています。一番わかりやすい例は海外に住んでいた期間です。海外在住期間は国民年金の加入は任意なので、加入しないで保険料を払う義務がないのです。この状態は未納期間ですが、老齢の年金をもらえる権利を発生させるための10年には加えても良いのです。(海外に住んでいる期間中も保険料を払って、国民年金に任意加入することもできます。)


たとえば、国民年金保険料を9年間(108回)しか払っていなかった人がいたとします。厚生年金の期間はありません。この方は20歳から60歳の間で、海外で生活していた期間が10年ありましたがその間は、国民年金の保険料を払っていませんでした。この方が65歳になったときに老齢基礎年金をもらえるでしょうか?


普通に考えたら108回しか保険料を払っていないし、免除期間も無いので、年金は1円ももらえません。ただし、海外にいた期間はカラ期間として申し出れば、120回の中に含めることができるので、108+120=128 つまり10年以上保険料を払ったとして年金をもらう権利が発生します(受給権といいます)から、老齢基礎年金をもらえます。

ただし、もらえる年金は保険料を払った回数分だけなので(カラ期間は年金にはなりません)、
779,300÷480×108=175,342円が年金額となります。


カラ期間は、年金額には反映されませんが、これがなければ支給額ゼロだった年金が、保険料払った分だけは年金がもらえるので、忘れないでおいてください。なお、年金事務所の記録にはカラ期間は出てこないので、ご自身でカラ期間のことを言わなければ誰も気づきません。カラ期間について詳しくはこちらをご覧ください。


このように未納は一番損なのです。でも過去の未納はどうしたらよいでしょうか?


平成30年9月28日までなら、過去5年間の未納期間についてさかのぼって保険料を納める後納制度の申し込みをすることができます。詳しくはこちらでご確認ください。

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