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ブログ

月別アーカイブ:11月2013

たくさんある遺族年金の性別格差


年金保険料きちんと払ってきたのに、遺族年金が何も出ないの?
それじゃ、まるで払い損じゃないか?

 11月26日に、大阪地裁で、注目の違憲判決が出ました。(一票の格差の裁判ではありません)

公務災害(民間企業の労災保険と同等の公的保険制度)による遺族補償年金が、55歳未満の夫には出ないという決まりは違憲であるとの判決があったのは、世の中を驚かせましたし、また、そのような差別は解消して欲しいと思われた方は多いと思います

私も、その1人です。

この判決では、公務災害といっているので公務員の方が対象ですが、民間企業に置き換えると、労災保険の遺族補償年金とほぼ同じ制度です。厚生年金や国民年金にも男性が遺族年金を受給する場合にはこれと似た年齢制限があります。

年金について、数ある男女格差のひとつに、遺族基礎年金があります。この遺族年金がもらえる人の中には夫が入っていないのです。妻に先立たれても男なら働いて収入が得られるからと考えたのでしょうか? そうだとしたらずいぶん考え方が古いですね。

でも、平成26年4月以降は父子家庭にも国民年金の遺族基礎年金が出るようになりました。この法改正については、ブログに書きましたので詳しくはこちらをご覧下さい。

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H26年4月から夫にも遺族基礎年金が出るようになりました (さらに…)

涙なしには読めないエッセイ集「わたしと年金」

今年も、日本年金機構が募集し、集まった1290本のエッセイについて、機構が行った審査結果を発表しました

最優秀賞その他の受賞作品はこのサイトに掲載されていますが、厚生労働大臣賞は、遺族年金について書かれたエッセイで、年金機構理事長賞は年金保険料を納めることの大切さを知ったという内容のものです。優秀賞は3件で、年金担当者としての思いや、遺族年金、保険料納付のことについて書かれたものなどです。入選は5名の方が受賞しました。

厚生労働大臣賞受賞に輝いたのは岐阜県の方で、高校生ですが、小学生だったころのある日突然父親を失った悲しみとそれを受け止めて過ごす日々を送っていたところ、遺族年金が出ていて、家計が助けられている事実を知ります。そして、母親が、大学進学を後押ししてくれるのも遺族年金があるからだという思いと、国公立大学合格という目標に向かっていけるのだ結んでいます。

理事長賞受賞者の福島県の方は、自分が20歳になった時から父親が国民年金保険料をきちんと納めてくれていたことに感謝しています。

優秀賞受賞者の一人の方は、今年話題になった老後の生活資金が2000万円不足するという報道から、年金制度のことを調べ、年金制度は相互扶助の考え方で成り立っていることを発見した高校生です。こうした理解が進むことが公的年金制度を支えてゆくのだと私も実感しました。私ごときが大変僭越ですが、私からは最優秀賞を差し上げたいと思います。

自分が若くて元気なときは、年金なんて自分には関係ないやと思ったり、保険料払ってもどうせ自分たちの代はもらえないんだから払うだけ無駄だ、と思いがちです。年金のシステムをきちんと説明してこなかった、そして年金に対する信用を失わせるような事件を多く発生させた行政機関にも責任がありますが、国民皆年金という理念は失われていません。

入選作品で繰り返し述べられているのは、

保険料払ってこその年金だということです。 (さらに…)

お得な国民年金保険料の2年前納制度

国民年金の保険料は毎月納付が基本ですが、前倒しで払うと保険料が割安になる仕組みがあります。

そして、一番お得なのが、口座振替による2年前納です。

大事なポイントは、申し込み期限が毎年2月末までということです。

この申し込みをすると、申し込みした年の4月分以降2年分の保険料を口座振替で前納することになり、2年分で1万5千円程度の割引になるということです。保険料1ヵ月分(に少し足りないですが)安くなる勘定です。また、2年分の保険料全額がその年の社会保険料控除の対象になります。

日本年金機構のホームページでも案内しています。
口座振替前納はこちらのページで:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-04.html

現金による前納はこちらのページで:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-01.html

年金制度は社会保険の仕組みを使っていますので、保険料を払ってこその年金給付です。

万一、障害年金や遺族年金をもらうような状態になってしまったときには、過去にきちんと保険料を払っていることが要求されます。

私は、今まで、遺族年金をもらえないと言われた方のご相談をたくさん受けてきましたが、保険料未納の場合は、全く打つ手がないのが現状です。年金申請の入り口で遮断されてしまうという状態です。

障害年金についても、初診日の2ヵ月前までからさかのぼった1年間に未納の月が1ヵ月もないこと、または、国民年金の全加入期間の2/3以上の期間について保険料を払っているということのどちらかが成立していないと、たとえ障害等級に該当していても、障害年金がもらえないことになってしまいます。

払えるときは前倒しでも払っておきましょう。払うのが大変なときは、免除申請をしておきましょう。

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