繰り下げ支給をもらっていた夫がなくなりました。
Q. 先日80歳で亡くなった夫は40年以上厚生年金に加入していて、厚生年金の繰り下げ支給をしていたので、割増の年金をもらっていました。私の遺族厚生年金はその割増した額の3/4をもらえるのでしょうか?
A ここでは、厚生年金と国民年金の保険料納付期間と国民年金の保険料免除期間を合わせて300月(25年)以上(受給資格期間)ある方についての説明です。
条件に該当すれば、加給年金額やその他の年金もは別に支給されます(割増はされません)。
答えとしては、割増をしない本来の老齢厚生年金の3/4が支給されます。
でもこれだけでは説明が足りませんね。
少し解説しますと、遺族厚生年金の計算方法は、厚生年金保険法という法律の第60条で決めていて、条文には何と書いてあるかというと「死亡した人の本来の老齢厚生年金額の四分の三に相当する額」となっています。本来の、というところが見落とされがちですね。
つまり、繰り下げ支給をしたことによって割増となっていたり、繰り上げ支給によって減額された老齢厚生年金の額を元に遺族厚生年金を計算するのではなく、本来の(増えたり減ったりする前の)老齢厚生年金額の3/4が遺族厚生年金として支給されるということです。
もうひとつ大事なことは、亡くなった方の受給資格期間が300月(25年)以上あることが絶対条件だということです。これを長期要件と言っています。
自分の老後の老齢厚生年金は10年加入していれば年金がもらえますが、遺族厚生年金は別の扱いなので、年金をもらっていたから遺族年金が自動的にもらえるということにはならないということをよくご理解ください。
長期要件があるなら短期要件もあるはずで、そのとおりあります。こちらのサイトでその条件を簡潔に説明しています。ご確認ください。