夫が亡くなって10年以上たってからでも遺族年金を請求できますか?
A. 結論から先に言うと、できます。ただし、さかのぼってもらえるのは、申請したときから5年前までの分までです。それ以上前の分は時効によって払ってもらえません。
申請してから先の分はもちろんもらえます。
問い合わせた年金事務所によっては、夫の死亡後5年で時効消滅していると説明されることがあります。これは、遺族年金をもらえる権利は発生しますが、申請した時からさかのぼって払ってもらえる年金が5年前までの分しか出ませんよ、ということですから、申請できないのだと勘違いしないでください。年金事務所で申請もできないと言われたら、仕方がないとあきらめてしまいがちですが、通達により申請書類がそろっていれば、受け付けてくれることになっています。
ちょっとわかりにくいかもしれませんね。ですから、遺族年金の申請はいつでもできる。たとえ夫が死亡したあと何年たっていても申請だけはできると覚えておいてください。
これには裏付けがあります。
本来は、行政手続としての年金の請求は、その理由が発生したとき(遺族年金の場合は、夫(または妻、親あるいは子)が亡くなったとき)から5年で、請求する権利そのものが時効によって消えてしまうのですが、行政通達(昭和42年4月5日庁文発第3665号)によって、申請者にやむを得ない事情があるときには、時効を援用しないことがあってもよいとの指示が出ているからです。つまり時効だから申請を受け付けないということはしないはずです。
やむを得ない事情とは、遺族年金のことを知らなかった、とか、年金の事をよく知らなかったなどの事情でよいのです。
実際に5年以上前に夫が亡くなったケースで遺族年金を請求するときには、「年金裁定請求の遅延に関する申立書」という書類に遅延理由を選んで署名して提出します。
ひな形は日本年金機構のサイトからダウンロードできます。ここをクリックしてくだされば、該当ページに飛びます。
2016年2月4日 9:06 AM | カテゴリー:Q&A