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年金QA 7.カラ期間-その1

 皆さんは「カラ期間」という言葉を聞いたことがありますか?年金に関係ある言葉なのですが、法律に書いてあるのは「合算対象期間」といいます。これでもなんのことかわかりませんね。実は、年金保険料を納めた期間が足りなくて、年金をもらえないと言われてしまったときに、このカラ期間を足して、年金をもらえるための保険料納付月数(120ヵ月)に達したら、年金をもらえることがあるのです。老齢年金や、遺族年金(保険料納付月数はカラ期間を含めて300ヵ月必要です。)でカラ期間が威力を発揮することがあります。今回からは、このカラ期間について、細かく見ていきましょう。

1.カラ期間とは何か:
国民年金の保険料を払っていない期間の中で、特別な事情がある場合に、カラ期間となります。このカラ期間には国民年金保険料の免除期間は含みません。あとで出てきますが、保険料免除期間の方がカラ期間よりもお得なので含めないのです。

2.なぜ、カラ期間というのか:
「カラ」というのは空っぽという意味です。保険料を払っていない期間だから、年金額の計算をするときには、当然含めない期間です。ところが、年金をもらうための必須条件である、保険料(国民年金、厚生年金、共済年金の全期間を通算して良いです。)を120ヵ月以上払ったかどうかを見るときには、このカラ期間を加えて計算して良いことになっています。

具体例を挙げてみましょう。実際によくあるケースです。
ある人が、65歳になって老齢基礎年金の請求をしようとしましたが、保険料の納付済月数が(厚生年金の期間はゼロとします)、280ヵ月しかなくこのままでは年金が全く出ません。(平成29年8月1日以降は保険料納付期間が10年以上なので年金がもらえますが、遺族年金の支給条件は300ヵ月のままです。)
ところが、調べてみると、カラ期間が20ヵ月あることがわかりました。そこで、この20ヵ月を足すと280+20=300となって、保険料納付月数が300ヵ月になりますから、年金をもらえます。280ヵ月では年金ゼロなのに、年金がもらえるのです。(平成29年8月1日以降は保険料納付期間が280ヵ月あるのでカラ期間がなくても年金がもらえます。)
ただし、もらえる年金は、保険料を払った月数分だけですから、この場合は280ヵ月分です。具体的な年金額(1年間にもらえる金額です)は、平成22年度の計算では
780,100円×280÷480≒455,000円(端数処理後)です。

もちろん、カラ期間を使わないで、65歳以降も高齢任意加入(Q6ご参照下さい)して、あと20ヵ月保険料を払うという方法もあります。この方が年金額は大きくなりますから、良さそうですが、毎月の保険料(16,410円令和元年度)を払うことが難しい場合など様々な事情が考えられますから、カラ期間を使って、65歳から年金をもらってしまうという選択もありますね。(平成29年8月1日以降は280ヵ月あるので年金をもらえますから、高齢任意加入はできません)

 繰り返しますが、カラ期間というのは、年金をもらえる権利を得るための保険料納付月数120月があるかどうかを見るときには、カラ期間を加算して良いのですが、実際にもらえる年金の金額を計算するときには、カラ期間を外して計算するということです。

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